2007年3月18日日曜日

構造の生成と崩壊、そして

芸術の世界では、構造の生成と成長、そしてその崩壊が顕著に見られる。
音楽で言うなら、構造が主体のバロックの世界から骨の上に柔軟な肉付けを
許されたロマン派へと移り、近代に移ると次第に骨がゆらぎ、ばらばらになり、
今日における現代音楽では骨と肉の境目すら分からない状態になっている。
興味深いのは絵画の世界でもほぼ同時代に同じ傾向が見られることだろう。

世界情勢においても、今日単一のルールに基づく、もしくは単一の国家が
主体となった秩序形成は既に不可能となってきている。
日本社会も一度崩壊した秩序の上に強力な構造体の形成と共通の価値観を
形成することによって繁栄を果たしたが、その目的意識の薄れと共に
既存の秩序の崩壊が進行している。

モノ作りの世界においても、既に構造の設計、管理は人の手に負えないもの
となってきており、品質の危機が叫ばれる要因の1つともなっている。

人間は混沌と秩序の狭間に生きる存在だが、混沌に振れた状態から
新たな秩序が必要とされている。果たしてその形はいかにあるべきか。

0 件のコメント: